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「雪がない世界というのは本当にあるのだな」
「へえ」
「ではその雪のない世界の住人たちはどのような生活をしているのだ」
「にゃお、これは驚いた、先程まで疑っていた人のお言葉とは思えないですね」
「疑っていたのはあまりに突拍子がすぎた話であったからだ。しかしここまで自信たっぷりに聞かされては話の続きが気になるというものだ」
猫は男の言葉に少し感動してにゃあにゃあと鳴いた
「へえ、わたくし今あまりにも感動しております、猫の耳に念仏、というのは冗談ですが、人様が真剣に話を聞こうと努力をなさっているのに心を打たれました。だってそうでしょう、ここの世界の住人でさえ雪に対して疑問を抱くことがないのに、ましてや雪のない世界があるだなんて話どだい誰が信じますかね、バカにされて詐欺師扱いされてはいおしまいですよ、だもんでわたしは初めて話を信じてくれている方を前にして感動で感動で嬉しくってたまりませんにゃあ」
「お前のその話はわかった、続きがどうしても聞きたいのだ、今まで自分の求めていた答えがこんな形で解き明かされようとしていることにわたしも感動をしているのだ。さあさあ早く続きを教えておくれ」
猫はまたにゃあ、と鳴くと
「ここだけの話・・」
と付け加えた
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