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ずっとずっと、一生付き纏うと思っていた
蘭さんという存在
こんな仕打ちを受けるとは思わなかった。
悲しくて、情けなくて、涙が止まらない。
修斗の言う通りなら、本当に酔っ払って眠っていただけなのかもしれない。
でも、それなら、下着姿になる必要はあるのか?
本当に何も無かったのだろうか……
修斗の身体にあの人が触れたんだと思うと、
物凄く汚らわしく思ってしまった。
そして、私はトイレから出て、
「ごめん、今日は帰る」と言った。
まだ完全に同棲してなくて良かったと、この時初めて思った。
こんな時、逃げ帰る場所がある方が良い。
「茉子……」と修斗は、悲しそうに私の手を握って止めた。
でも、真相が分からない今、
蘭さんと一晩中、一緒に居たことに変わりはない。
かなり動揺しているから、
それを許せるだけの寛大さを、今の私は持ち合わせていない。
「離して」と言って修斗の手を払い、荷物を持って私は部屋を出た。
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