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止めどなく涙が流れる。
無意識のまま駅まで歩いたが、それ以上は足が重くて動けない。
駅のベンチに腰掛けた。
修斗から何度も着信がある。
でも、出たくない。
どうしようもなくて、瑞希にメッセージを送った。
電話がかかって来たが、上手く喋れない。
「そこで待ってて! すぐ行くから」と、
瑞希は、旦那様に断って、十数分後、車で私を迎えに来てくれた。
もう22時半だ。
「茉子! 大丈夫?」と、瑞希は路肩に車を停めて、私を助手席に乗せてくれた。
とりあえず、公園の横に車を停めて、じっくり私の話を聞いてくれた。
「そっか……で、茉子はどうしたい?」と聞いてくれたが、
「今は、自分でも分からない」
「だよね、いきなりそんなことを聞かされてもね」
と。
「しっかし、やっぱあの女ただ者ではなかったな。怖い女だな」と瑞希は言った。
「もしかすると、昨日も最初から狙ってたのかもよ! ほら、元カノならお酒に弱いことだって知ってたんじゃないの? 分かってていっぱい飲ませたとか」
「そうかもね、今までも何度も飲み会があったみたいだから」
「なら、わざとだな! ずっと狙ってたんだよ! 嵌められたな修斗くん」
と瑞希は言った。
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