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──4月
修斗は、大手IT企業に入社した。
私は、従業員数2千人と聞いていたが、それは修斗が通う本社のみで、全国には支店が数多く有り、全部合わせると10万人を超える規模らしい。
そして、修斗は希望通り、インターンの時にお世話になった、部署に配属されたようだ。
ソリューションエンジニア、なんたら、か〜たら……
カタカナばかりが並んでいて、私には、よく分からない。
インターンの時に誘惑された堂山さんは、もう居ないし、不倫相手だった村本課長ももう居ない。社内の雰囲気は、良くなったのだろうか。
今はまだ研修期間中なので、私より先に帰宅している修斗だが、やはり会社の先輩に聞くと徐々に遅くなるようだ。
そして、修斗初めての初任給
「やった〜! 初任給だ〜まあ、最初は少ないって言うからな」
「今は、そんなことないんじゃないの?」
と、銀行振込だから、現金は手元にはないが、給料日前日の今日4月24日にもらった給料明細を開いて見ている。
「まあ、最初はこんなものだな」
と、明細書を私に渡して見せてくれる。
「えっ? 見てもいいの?」
「良いよ」
と、全く隠す様子もないので見てみる。
「え〜〜! 凄っ! 大卒って最初からこんなに貰えるの?」と驚いた。
──私なんて2年働いて、やっとなのに
「まだまだ、これからどんどん稼がなきゃ! 年収1,000万、2,000万どんどん上を目指さないと!」と言っている。
「そ、そうなんだ……」
──桁が違う
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