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「いえ、待ち合わせしてるので」と断ったが、執拗に付き纏う。
「嘘でしょう? さっきから誰も来ないじゃん」と、
少し前から見られていたようだ。
「もうすぐ来ます!」と言ったが、
「じゃあ来るまで話そうよ」としつこい。
無視をしていると、
「どうして無視するのかなあ? どうせ暇なんだろう! 付き合えよ!」と言われた。
怖くて右へ左へ移動しながら、逃げるが付き纏う。
そういう時、周りの人は、誰も助けてはくれないんだなと思った。もしかして、知り合いだと思われていたのか?
すると、
「お待たせ!」という声がした。
「修斗!」思わず修斗の後ろに隠れた。
「知り合い?」
「ううん」
修斗がその男を睨みつけて、
「俺の彼女に何かご用ですか?」と言うと、
「なんだよ男かよ」と言いながら、その男は立ち去った。
「ごめんな遅くなって」
「ううん、私が早く来すぎたから」と、目に涙をいっぱい溜めていたから、修斗は察してくれたようで、
「大丈夫か? 怖い思いさせたな、ごめんな」と優しく言ってくれる修斗
こんな所で泣いたら、修斗が泣かせたと思われてしまうと思って、
「ううん、大丈夫」と引き攣りながら笑っていた。
「無理すんな」と頭をポンポンしながら言われて泣きそうになったが、必至で我慢した。
「今日は、一段と可愛いな、行こうか」と褒めてくれて手を繋いでくれたから、嬉しかったし安心した。
「どこ行くの?」と聞いてみた。
「あ〜予約してるからお楽しみに〜」と笑顔で言われた。
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