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でも、修斗が
「ん?」と首を傾げて心配そうに、ジッと私の方を見ている。
やっぱり嬉しかったから、私は黙って、
「うん」と笑顔で頷いた。
「良し!」とガッツポーズを取っている。
すると、その声を聞いて、お店の方も拍手をしてくださった。
お店の方もご存知だったようで、
「おめでとうございます」と言ってくださった。
そりゃあそうだ、結婚指輪をお料理の中に隠すなんて、いつお願いしたのだろうと思った。
そして、私の指に指輪を嵌めてくれて、修斗の指に私が指輪を嵌めた。
しかも、その指輪は、私のお店の商品だ。
「いつ買いに行ってくれたの?」
私がお休みの日に、わざわざ帰りにお店に行って、北山さんにお願いしたようだ。
「うわ、北山さんも全く何も言ってなかったから、本当に知らなかった」
「黙ってて欲しいって頼んだからね」と笑っている。
今すぐは、無理でも少し落ち着いた頃に、
入籍出来れば良いなと思った。
まだ、親の承諾も得ていないのに、先に結婚指輪だなんで、本当せっかちなんだから……と思った。
でも、凄く嬉しかった。
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