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すると、全速力で修斗がこちらに走って来るのが見えた。
「うわっ」
──どうしよう、突然来たから怒ってるのかなあ
まさかね
「茉子!」
「はい」
「おめでとう!」
「あ、ありがとう」
良かった、怒っているわけではなかった。
ホッとしたのと嬉しいのとで思わず笑った。
「ふふ、来てくれたんだ」
「うん、早く顔を見て報告したかったから」
「もうすぐ終わるから待ってて」
「うん。ビックリしたよ、全速力で走って来たから、怒られるのかと思った」
「ハハッ、なんでだよ!」
「連絡もしないで勝手に来たから」
「嬉しいよ。待ってて」と、頭をポンポンして、
また全速力で戻って行った。
──はあ〜頭ポンポン最強〜! ニヤニヤが止まらない
「しかし、足速いなあ」と感心した。
蘭さんがこちらを見ているのが見えたので、会釈した。が、違う所を見ているのか、見えなかったのか返ってくることはなかった。
──あ、遠いから見えないか……
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