お祝いと約束

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修斗は、私の内定が貰えたことを自分のことのように喜んでくれた。 ただ私の勤務先がどこになるのかを心配してくれているようだ。 面接の時には、希望は都内!と話したが、こればかりは入社してみないと分からないのだ。 『地方での勤務は希望しません!』とハッキリ言えたので、それでも内定を貰えたのは、有り難い。東京近郊ならどこでも良いと思っている。が、最終的には東京本店で勤務したいというのが最終目標だ。その為には、一所懸命に頑張らないと! 「そっか茉子は、もう来年社会人になるんだな」としみじみ言う修斗 「うん……」 楽しみがいっぱいだけど、やはり不安もある。 今まで手放しで喜んでいたが、急に落ち込んだ。 ふと気づいたことが…… 私が働き出すと、修斗と過ごす時間も変わってくるだろう。 今までは何も考えずに過ごしていたけれど、急に不安が押し寄せて来た。 きっと私の中では、さっき会った蘭さんのことがまだ消化し切れていないからだろう。 「ん? どうした?」 「あ、私が働き出したら……」と2人の時間にすれ違いが出て来るのでは? と不安を口にした。
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