お祝いと約束

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修斗は、3年生の夏になったらインターンシップが始まる。そろそろ就職先を大まかに絞って行く時期だ。 その頃には、サークル活動もなかなか参加出来なくなるから引退するだろうし、アルバイトも減らさないといけなくなる。 「茉子には会いたいから会うよ」と、あっけらかんと言う。 「そうだけど……」 「今から心配しても仕方ないし、今の時代、いつでも連絡が取れる便利なツールがあるんだから、何とかなるような気がするけど」と修斗は笑っている。 確かに私の思い込みかもしれない。 でも、やはりスッキリしないのは、修斗が3年生になった時、蘭さんがまだ4年生に居て、蘭さんの彼氏さんは既に卒業しているということだ。 だから、何? かもしれないが、同じ大学に居るということだけで、私は蘭さんのことが羨ましいと思っているわけで…… もう蘭さんも修斗のことを何とも思っていないかもしれない。私の勝手な思い込みかもしれないけれど、やっぱり、蘭さんが修斗の近くに居ることがイヤなんだと思った。
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