出会い

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「うん、居ないけど……」 「じゃあお願い! 会うだけ会ってみて!」と両手を顔の前で合わせて拝んでいる未知瑠 「そうだね〜」と曖昧な返事をした。 「ホントに? ありがとう!」 と未知瑠が喜んでいる。どうやら、会うことが決まってしまったようだ。 まあ、今は本当に彼氏と呼べる人が居ないわけだし。 私は、高校卒業と同時に、半年ほど付き合っていた彼氏と別れてしまったので、短大生になった最初から彼氏は居ない。 そう言えばもう1年を過ぎていた。 相手のことは、未知瑠の彼氏の友達で同じ歳ということしか知らされず、率先して会いたい! とはならなかったが、未知瑠の顔を立てた形だ。 ──まあ、いいっか という軽い気持ちだった。
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