お祝いと約束

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言わずに居ようと思ったが、やっぱり引っかかったので、思わず言ってしまった。 「そうなんだけど……そうやって、修斗は未だにって呼び捨てにしてるのはなぜ?」 「あ〜そうだな、コレは癖みたいなものだな、ごめん嫌だった?」 「うん、呼び捨てにするたびに、ああ、元カノなんだもんなって思ってしまってた」 「分かった! これからは俺も他の奴らと同じようにって呼ぶよ」 そう言われて、やっぱり自分が小さい人間だなと思ってしまった。 「ん? どうした?」 「ごめんね、イヤな女だよね」 「んなことないよ! 俺が悪かった」 目にいっぱい涙を溜めているから、 「あ〜泣かなくて良いよ」と慌てる修斗 恋する女は、面倒くさい。 本当は、元カノを呼び捨てになんてして欲しくはない。 でも、自分の我儘で、修斗が呼び方を変えてしまったら、周りは何があった? と思うから、責任を感じてしまう。
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