41・宰相の妻は治癒する②

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「なるほど、そんなことが……。それは大変でしたね」  ハーバーさんに今日の出来事を話すと、酷く同情したような視線を私たちに向けた。  確かにとても大変な1日だった。 「そうですね……」  私はベッド横に置かれた木製の椅子に腰掛けた。  ハーバーさんの言葉に同意しながら、再びベッドに横たわるリシャルト様の治癒を再開する。 「リシャルト様、私を庇ってくれて……。リシャルト様を守れなくて、ごめんなさい」  私はハーバーさんに向かって謝罪の言葉を口にした。  ハーバーさんにとって、リシャルト様はずっと仕えてきた大切な主人のはずだ。 「そんな……。奥方様、謝らないでください。リシャルト様は、あなたを守れて本望だと思いますよ」  確かにリシャルト様は「必ず僕が守ります」と何度も言ってくれていた。  本当に守ってくれた。  だけど、その代わりにリシャルト様を失いたくなんてないのだ。  ――今度は、私がリシャルト様を助けなきゃ。  私は決意を込めて、ハーバーさんを見た。 「ハーバーさん。私が、必ずリシャルト様を治癒します」
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