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②
「わたくしは女神の1柱、ハニアと申します」
ハニアと名乗ったその女性は、確かに女神を自称できるくらい神々しい姿をしていた。
緩やかなホワイトブロンドの髪はうっすらと光っているように見える。
(ああ、これ夢だな)
こんな変な空間も、美しすぎる女性もなかなか現実ではお目にかかれないだろう。
夢なら納得だ。
私は床なのかも分からない白い空間にへたりこんだまま、ぼんやりとその女神様とやらを見つめた。
女神様は白く華奢な片手を頬に当て、ほうとため息をつく。
「それにしても、地球人というのは大層可哀想な生活をしてらっしゃいますのね……。わたくし思わずあなたに同情して、こんな世界の狭間に連れてきてしまいましたわ。もしかしたら、地球のあなたから魂を引き抜いてしまったかもしれません」
「はい……?」
今、さらりととんでもないことを言われた気がする。
魂を引き抜いてしまったかもしれない……?
「え……っと、あの。それは、殺された、ということで合ってます……?」
私、なんて物騒な夢を見てるんだ……!
女神様に殺されるだなんて、縁起が悪すぎやしませんか!?
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