731人が本棚に入れています
本棚に追加
/300ページ
恐る恐る女神様に尋ねると、女神様は絵画のように美しい顔を申し訳なさそうに歪めて「多分」と小さく口にする。
「わたくし、悪気はなかったんですの。あなたがとても弱っていて、可哀想だなと。それで連れてきたら、結果的に魂と体を分離させてしまったかも……」
言い訳をする少女のようにつんつんと指先を弄りながら言ってくるものだから、内容とミスマッチで余計に恐ろしい。
私は思わず、片手で右頬をつねった。
痛い。
……左頬もつねる。
やっぱり痛い。
「申し訳ありませんが、これは夢ではありませんわ」
しゅんと目を伏せる女神様。
私の顔からさあっと血の気が引いていくのがわかった。
「ど、どうしてくれるんですか……!?」
女神様に同情された結果殺されるなんて、たまったもんじゃない!
だってまだ皐月先生の新刊読んでないし! 日々の更新を楽しみにしているWeb小説だってたくさんある!
私は慌てて立ち上がると、女神様に詰め寄った。
「お、落ち着いてくださいまし!」
突然迫ってきた私に驚いた様子の女神様は、どーどー、とジェスチャーで両手を出してくる。が、落ち着けるわけがない。
最初のコメントを投稿しよう!