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「地球のあなたの体は結構限界がきているみたいで、戻したところで過労死する寸前です! なので、新たに生まれ落ちる方がよろしいかと!」  女神様の言葉に、私はぴたりと動きを止めた。  新たに生まれ落ちる? なにそれ。  それってあれ? 転生ってやつ? 「……それ、異世界とかいけます?」  私は好奇心に負けて、女神様に静かに尋ねた。  ラノベオタクの血が騒ぐ。  異世界転生。悪役令嬢。乙女ゲーム。婚約破棄。チート。MMORPG。ハーレム。ギルド追放。  かつて読み漁ったラノベの内容が、瞬時に脳内を駆け巡っていった。 「ええ、あなたが望むなら! 叶えて差し上げましょうとも!」  えへん、と女神様が胸をそらす。  私は頭で考えるよりも先に、秒で答えていた。 「異世界に転生でお願いします」  どうやら私は、なかなか現金な性格だったらしい。  ああ、神さま仏さま。そして地球の両親よ、ごめんなさい。あれだけ大切に育てて貰ったはずなのに、ブラック企業に就職してしまった挙句女神様に殺され、しまいには異世界に転生することを自ら選んでしまっている。
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