第一章 出会い

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どうしよ。 今私の中にある仮説が浮かんでしまった。それはあの青いたぬきっぽい猫型ロボットと万年0点の少年がよくやっている・・・タイムスリップ。 「いやあそんなことないよね・・・。」 「何がだよ。」 私の独り言を拾ってくれたのは、教科書に似た人。 「・・・今って何年でしたっけ?」 「はあ?おまえ頭大丈夫か?今は文久だぞ。」 文久・・・文久・・。 新選組のドラマのナレーションにもそういう言葉があった。 やっぱり・・・やっぱり・・・・ 「おわったあああーーーーー!!!嘘おおおおおお!」 思わず叫んでしまう。 「煩ェ女だな。お前さん、どこのもんだ。」 後ろからひやりとするような感覚があった。 ゆっくり首元を見ると・・・・、か、刀! これが本当の殺気というやつなのか。身動き一つできやしない。・・・が、こんなんでバッサリやられてたら女が廃るぜ! くるりと振り向くと、長い男の刀がとりあえず飛んでこない位置まで飛び下がる。 男は少し驚いたような顔をしたが、すぐ、鋭い目つきに変わった。 「神代春風です。」 女にしては変わった名前の私のはるかぜという名前。 はるか、ではない。はるかぜだ。 すると、二人の男の人は大きく目を見開いてから・・・。 「…晋作。」 そう言うと晋作、と呼ばれた男の人に対し、親指を立てる。 「嬉しくねええええ!!女と同名なんてすげえ嬉しくねええよおお!!」 「え?同名なんですか?」 恐る恐る聞いてみる。この人、さっき晋作って呼ばれてたじゃん。 「残念だったな!俺の本名は高杉春風!通称を晋作という!」 「…入江九一。本名は子遠。」 どうやら、晋作、は高杉晋作というらしい・・・。え?まって、高杉晋作って・・・。 「あのイケメンの隣りにいた野郎かああああ!」 ・・・確か高杉晋作って長州藩だよね・・・。 そういえば・・・、私、吉田稔麿たちを幸せにしたかったんだっけ? で、猫ちゃんを追いかけたら、ここにいて・・・。で、タイムスリップしてた、と。 落ちた場所がちょうど長州で、もしかしたら吉田稔麿たちに会えるかも?って、眼の前の人たちがそうなのか? 一気にいろんなことを理解してしまったせいか、意識が飛んで私は後ろに倒れていった。
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