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どうしよ。
今私の中にある仮説が浮かんでしまった。それはあの青いたぬきっぽい猫型ロボットと万年0点の少年がよくやっている・・・タイムスリップ。
「いやあそんなことないよね・・・。」
「何がだよ。」
私の独り言を拾ってくれたのは、教科書に似た人。
「・・・今って何年でしたっけ?」
「はあ?おまえ頭大丈夫か?今は文久だぞ。」
文久・・・文久・・。
新選組のドラマのナレーションにもそういう言葉があった。
やっぱり・・・やっぱり・・・・
「おわったあああーーーーー!!!嘘おおおおおお!」
思わず叫んでしまう。
「煩ェ女だな。お前さん、どこのもんだ。」
後ろからひやりとするような感覚があった。
ゆっくり首元を見ると・・・・、か、刀!
これが本当の殺気というやつなのか。身動き一つできやしない。・・・が、こんなんでバッサリやられてたら女が廃るぜ!
くるりと振り向くと、長い男の刀がとりあえず飛んでこない位置まで飛び下がる。
男は少し驚いたような顔をしたが、すぐ、鋭い目つきに変わった。
「神代春風です。」
女にしては変わった名前の私のはるかぜという名前。
はるか、ではない。はるかぜだ。
すると、二人の男の人は大きく目を見開いてから・・・。
「…晋作。」
そう言うと晋作、と呼ばれた男の人に対し、親指を立てる。
「嬉しくねええええ!!女と同名なんてすげえ嬉しくねええよおお!!」
「え?同名なんですか?」
恐る恐る聞いてみる。この人、さっき晋作って呼ばれてたじゃん。
「残念だったな!俺の本名は高杉春風!通称を晋作という!」
「…入江九一。本名は子遠。」
どうやら、晋作、は高杉晋作というらしい・・・。え?まって、高杉晋作って・・・。
「あのイケメンの隣りにいた野郎かああああ!」
・・・確か高杉晋作って長州藩だよね・・・。
そういえば・・・、私、吉田稔麿たちを幸せにしたかったんだっけ?
で、猫ちゃんを追いかけたら、ここにいて・・・。で、タイムスリップしてた、と。
落ちた場所がちょうど長州で、もしかしたら吉田稔麿たちに会えるかも?って、眼の前の人たちがそうなのか?
一気にいろんなことを理解してしまったせいか、意識が飛んで私は後ろに倒れていった。
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