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ダイニングを抜けると右奥に木製の引き戸がある。開けてみるとトイレだった。その横にお風呂場があり、小さな洗濯機が置かれていた。
話で聞いた通り前の住人のと思われる家具家電たちが置いてある。生活するには問題なさそうだ。
隣は和室だろうか。すりガラスの扉が二枚ある。
ガラガラと音を立ててスライドさせる。
畳の匂いが鼻に届いたと思ったら、目の前に大きなものがぶら下がっていた。暗闇の和室に何かがぶら下がっていた。ダイニングからの光だけでも判別できた。
首吊りの死体だった。
髪が腰あたりまである女性と思われる死体。
目に映ったものを脳が理解すると同時に自分でも信じられない叫び声が出た。
「ぎゅわぁぁぁぁぁ」
そして純平はそのまま意識を失った。
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