act1-2 就職先は、かつての同級生がごっそりいたという田舎の悲痛

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act1-2 就職先は、かつての同級生がごっそりいたという田舎の悲痛

 高校の時、私はお邪魔虫だった。  可愛い彼女を持つ、学校一のイケメンの恋愛を邪魔し続け、最後には盛大に振られた。  皆は私のことを、ジャー島(ケン)と呼んだ。  お邪魔虫で、犬のように付き従う犬、邪魔島、ジャー島犬。  盛大に振られたら、あいつ、意外と弱いんじゃね?て言われて、噛ませ犬にしたら、弱い、弱い噛みつき犬と言われ・・・  でも、社会に出てからは、いったんリセットした。  社会に出たら、違う世界が待っている。 社会に出たら、実力社会よ。力があれば上へ進めるもの。  学校ではお邪魔虫と呼ばれた私でも、会社では何をはばかることなく、出世街道を上がれる。こうなったら、社会に出て、出世だ。そう、思っていた。 「ねえ、沢島さんって、あの沢島さん?」  ただ一つ、誤算だった。それは・・・  あの高校の時の同級生たちが、同じ会社に全員、就職していた、なんて・・・
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