act7 奇跡 弱い噛みつき犬が群れとなり、会社を乗っ取る

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act7 奇跡 弱い噛みつき犬が群れとなり、会社を乗っ取る

「沢島君のおかげで、うちの大手取引相手の売上が倍になって、会社も大企業の仲間入りになったし、総務部の小売の新規開拓が営業部より、多かったんで、総務部は、営業課に昇進だ」  個性的な総務部の仲間と共に、売上貢献に成功したら、総務部が営業第一課にまるごと昇進した。   おそらく、異例の出世。そして、日本では滅多に起こることない現象。  そして、営業一課は二課へ、総務部が一課になる。 「沢島のおかげだ。皆、沢島は噛みつき犬で怖いぞ。だが、こいつはやる人間だ。大した奴だ。皆で沢島を応援してやろうぜ」 「そうよ、沢島さんがいたら、私ら上へ出世できるわ」 「ありがとう、皆、でも、皆も電話かけまくってくれたおかげよ」  噛みつき犬の私に、社会に出てから初めて、仲間が出来た。嬉しい。  仲間ってこんな感じ?  本当の仲間って、こんなに優しいんだ。 「おめでとうございます、皆さん、おめでとう」  梅香は大喜びだ。 「総務部なんか、厄介者のたまり場と思ったけどねえ、たとえ、世の中のはぐれものだろうと、世の中でも役に立つってことが分かった。これからは、私達は爆走するのよ」  オシャレ係長の美魔女佐々木は言った。 「はい」  私は皆と合わせて、返事をした。 「会社を一課全部のっとった。次なるは、社長とかの上層部?沢島さんなら、何なら町ごと乗っ取ってもおかしくないかもしれない。何でも出来そうだ」 「やあだ、部長」  ハゲ頭の河田部長もそんな冗談を言い、皆が笑う。  私、このリーダー犬たち(仲間たち)についていく。  私もとうとう、仲間に巡り合えた。  仲間とともに、私だって何だって出来るんだ。
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