5人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
いつまでもいっしょ・・・?
高校の時から、まあ、いつまでも、お熱いこって。
ため息つきながら、工場階段を回ったところだった。
「う、げ、ごほごほ」
階段から降りて来た人がいる。城市茂次郎だ。
「どうしたの?あなたも具合悪いの?」
「うん、いや、ちょっとね。具合が悪い、いろいろ」
「大丈夫?」
「いや、大丈夫じゃないかもしれない。倒れるかも」
城市は具合を悪そうにするので、私は仕方なく、付き添って部屋まで行った。
上階には役員の部屋があり、統括の城市の部屋がある。
小さい部屋だが、窓際にデスク、手前にソファがあり、私は城市をそのソファに寝かせた。
「ああ、具合が悪い。君のドレス代、君のネックレス代、あれから、君のことをいろいろ周囲に聞かれたりして、それが具合が悪い」
寝るなり、そう言うから、私は自分が原因だったとに気づいた。
「あ・・・なんで、そう言うかと思ったら・・・ドレス代?」
相当な高額な請求をされるだろうなと、私も思った。何も思わず従ってしまったけど、高そうだなと思ったのだ。彼は別にボランティアでもない。私に請求する義務がある。
「つい、うっかりしてた。お金がかかるってこと、ごめん、いくらか、言って。すぐ返せないかもしれないけど、今はまだ、月給だから、ここで働いて、あなたに返すから」
「うん?いや、ドレス代のことは良いんだ。でも、今日は具合が悪いから、そうだな、君がキスでもしてくれたら治るかも」
最初のコメントを投稿しよう!