5人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
なんだ・・・何とも思ってない、あの二人、私のこと。
おまけに、憎き敵は最後まで、一生懸命で一本調子のまま、私まで一生懸命というセンスの中へ、入りきらないこの私の壮大さを抑え込んだ。私のことまで、何でも一生懸命で見て、私のことまで、エヘペロ?・・・さすが、生っ粋の、エヘペロ。なんていう、失礼な奴。この私を単なる一生懸命の輩にするとは。
凄まじい、さすが。最後まで倒せない敵だった。
可愛くて、一生懸命で、いつも笑顔で、優しくて・・・
竹内涼は最後まで格好良くて、彼も優しくて・・・
(ああ・・・)
あの二人が去っていく。
でも、あの二人、関係ある?私に。
命をかけて守ってくれるの?あの男が。
私は脇役の人生じゃない。私は誰かの人生の脇役じゃない。
脇役の同じ過ち?私はもう、繰り返さない。
私は自分の人生のヒロイン。
もう、独りぼっちじゃない。今仲間がいる。心配してくれる人がいる。
私を好きな・・・応援してくれる人もいる。
そう決めて、私は思いっきり回れ右をして、会社へ戻った。
階段を上がると、まだそこに腕を組んで待っている城市がいた。
最初のコメントを投稿しよう!