ソウルキャスターズ 第1話「2034」

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その後、紅星は真冬(まふゆ)まひの以外の友達と別れ、まひのと二人で帰路につくことになる。歩きながら、2人は高校時代のバンド活動の楽しい思い出について話し合った。 3078cb90-e116-46a1-91e8-dd03aa4cee85 まひの「紅星くん、覚えてる?解散ライブで、ギターの弦が切れちゃって・・・」 紅星は懐かしそうに微笑みながら答えた。 紅星「ああ、覚えてるぜ。おかげで伝説のライブになったよな。」 彼らは近くの公園にあるベンチに腰掛ける。 まひの「ボトルネック奏法でね。水筒で弦を押さえつけながら、演奏したよね。」 ab1dacf7-fbef-4521-b4ee-4beca3218db7 紅星「あの時のまひのは、かなりかっこよかったぜ。」 紅星は心からの笑みを浮かべて答えた。まひのは照れる。 しかし、まひのの顔には少しの寂しさが滲んでいた。 まひの「紅星くん、卒業したら私たち、もう会えなくなるのかな。」 まひの「今は受験勉強で忙しいし、会えるの今日が最後かも。」 dcb730b8-44a6-4396-930e-ac72d888d2ff 紅星たちは高校3年生だ。卒業を控え、それぞれの進路に進むことが現実となりつつある。変わりゆく日常に、まひのは不安を感じていた。 まひの「私、バンドメンバーと離れたくないの…」 夜の寒さを和らげるかのように、紅星はまひのを励ます。 紅星「大丈夫。離れ離れになっても、きっとまた会えるぜ。」 そして、力強く約束する。 紅星「何かあったらおれたちが必ず会いに行くからさ、           そんな悲しい顔はやめてくれ。」 紅星「まひのがずっと笑顔でいられるって、オレは信じてるぜ。」 851fac4c-831c-49eb-8324-7b56e47591fb 紅星がまひのに向けた笑顔。 それは、まひのの不安の全てを包み込むような笑顔だった。 ツーー。生暖かい液体がまひのの頬をつたう。 まひの「紅星くん。ありがとう。元気出た。」 ぐすぐすと泣きながら、まひのは紅星に笑顔を見せる。 紅星「おいおい、泣くなよ。大げさだなぁまひのは。」 紅星「これで涙拭こうぜ。」 紅星はカバンからハンカチを取り出し、まひのの涙をぬぐう。 8097f88f-a57b-49c5-8e90-4166bbbfcc70 まひの「うん。」まひのは屈託のない笑顔を見せた。 頬のまわりを拭ってから、あごの周りを拭く。 その時、紅星の手がナビチョーカーに触れる。 紅星「熱ッ!」 9d52c801-e378-42e9-be55-0865b9784a73 突如、炎天下で熱された地面のような熱が、紅星を襲う。 まひののナビチョーカーが発熱し、高温になっていたのだ。 紅星「まひの、お前のナビチョーカー熱すぎ。いったん電源切って外そう。」 まひの「ダメだよ紅星くん。これはつけてないと。」 まひのは真剣な表情で拒否する。 09584656-a63a-4074-a2c6-9c559f0cfbd2 紅星「ナビチョーカーはオートセーブ機能付きで、ポチ切りOKだろ?消すからな。やけどになる。」 紅星はまひの制止をふりきり、ナビチョーカーの電源をオフにする。 まひの「待ってダメ。今消したら」 【警告!!!】次ページ ホラー展開です。苦手な方はご注意ください。 ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!ホラー注意!
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