sweet & painful

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「川瀬。はい、いつもの」 そう言って佐橋雄大が俺に渡してきたのは、 ラズベリーキャンディだった。 佐橋は大学でいちばん仲のいい友達で、 俺の好みであるラズベリーキャンディを ネットで買ってくれる。 自分の物と合わせて買うよと言われていて いつも甘えてお願いしているのだ。 「しかし、タバコ吸わない、酒飲めない、 ギャンブルやらない、バイト三昧の川瀬の ストレス発散法がコレとはねえ」 両手で抱えきれないくらいの袋をカバンに しまい、佐橋を見た。 「ついでに恋人いない、も追加しておいて」 「あはは、マジで金のかからない奴」 「ありがとう」 財布から1000円札を5枚出し、 佐橋に渡した。 「お釣りはいらない。またよろしく」
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