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「いらっしゃいませー!」
10時半、お昼のピーク前。
駐車場に車を停め、店に入ると
威勢のいい挨拶で出迎えられた。
店内には数人の作業着を着た男性たちが
とんかつやラーメンを頬張っている。
カウンター席と小上がりがあるようだ。
「いらっしゃい、お好きな席にどうぞぉ」
ポロシャツに黒いエプロン、
目の下に窪みのある、
見るからに人の良さそうな年配の女性が
水の入ったコップを乗せたトレイを持って
現れた。
俺は軽く頭を下げ、
迷わずカウンター席を選んだ。
その時。
「葵ちゃん、注文してもいい?」
小上がりにいた恰幅のいい男性の声で
厨房から出てきた店員の姿を見て、
俺は息を呑んだ。
儚く繊細な、優美で高貴なオーラを纏い、
つぶらな瞳、赤く肉厚な唇。
左目の泣きぼくろが色っぽい。
え、嘘かわいいと惚ける俺に気づいた
その店員は、ポロシャツの薄い胸を反らし
小さく微笑んだ。
「いらっしゃいませ」
笑顔もかわいい。
小ぶりで形のいい尻を眺め、うずうずした。
小上がりの客のオーダーを手早く取り、
年配の女性店員にメモを渡した店員が
近づいてきた。
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