sweet & painful

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「はい?」 「俺。その香りが弱くて‥‥」 「えっ、すみません。飴、嫌でした?」 「そうではなくて、あの」 彼が俺の耳元に顔を寄せ、囁いた。 「発情、しちゃうんです」 「‥‥はあっ?!」 好意を持たれたとは思っていたが‥‥ 遥か斜め上を行く彼の発言に、 俺は唖然とするしかなかった。 見送りのため俺と店を出た彼曰く、 自分の特異体質に気づいたのは 高校生の頃。 東京に実家のある彼は、 高校まで電車で通っていたが ラズベリーの香りに遭遇した日は 遅刻してまでも トイレで自己処理をするようになった。 大学に通うようになると、 対象は若い男性のみに焦点が当てられ、 +ピアスをした人に欲情したという。 確かに俺も左耳にピアスをしている。
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