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「すみません‥‥初対面の人にこんな」
「いや、大丈夫ですけど。でも大学まで
卒業して、食堂に就職っていうのも」
「ここは伯父の経営する食堂で、
ラズベリー避けにはぴったりの場所でした。
ここの仕事は週3日ですし、
残りは日本画描きとこども書道塾で
生計を立てています‥‥
細心の注意を払っていたんです。
だからまさか
ここまで好みのタイプの方と出会って
しまうとは思わなくて‥‥」
「そんなに自分を抑え込まないでください。
俺も葵さんのこと、好きですよ?」
とりあえず仕事終わったら連絡くださいと
LINEのIDを伝え、彼と別れた。
不思議な理由で都会から姿を消した
天使のような彼が、
俺の初めての恋人になるのは
それから数時間を経てのことだ。
日頃から食べていた
ラズベリーキャンディに大いに感謝。
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