タイトル未定

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これは偶然猫と出会ったことで人生が大きく変わってしまった少女の物語である。 中学生の舞子は本日もお日柄よく所属しているテニス部で精を出していた。 「ふう〜、入部して3ヶ月、球拾いの宿命を背負わされた悲しい少女は今日も今日とて先輩達にこき使われる・・しくしく」 テニス部に入部したきかっけ。それは中学に入学してから何日目かたったある日、声を掛けてくれたクラスメイトの凛ちゃんにあり。 「舞子ちゃんでしょ?同じ小学校だったよね!確かクラスも一緒の時があったと思うけど覚えてる?」 「あ、うん」 「よかったあ、何故かわたしの友達みんな私立の中学行っちゃってさ、入学してから心細かったんだよね〜。舞子ちゃんのことは前から知ってたけど話すきっかけがなかったから、でもせっかく同じクラスになったんだしそれになんだか親近感を覚えて、あ、わたし村林凛っていうんだ、気軽に凛って呼んでいいよ」 「あ、そうなんだ。わたしの名前は大原舞子、舞ちゃんって呼ばれることが多いかな・・。実はわたしもすごく緊張してて、ほら人って感情が顔に出るでしょ?赤ん坊は言葉を話すことができないから今の自分の感情を読み取ってほしくて泣いたり笑ったり表情がすごく豊かなんだって。喜怒哀楽がはっきりしてるっていうか・・。わたしもあんまり言葉を伝えるのがなかなか苦手で・・だから表情だけは豊かにしようかなって・・鏡の前で笑顔の練習たくさんしてきたけど、実際笑顔って誰かとお話してその過程で笑ったりするでしょ?会話すらままならないわたしが一人で笑ってたら気味が悪いって思われたら嫌だから、あんまり練習の意味がなかったなって・・」 舞子は誰かと話すのが嬉しくて思わず心のうちを思いっきりぶちまけてしまった。しかも初めて話をする人に対して。舞子は、ああまたやってしまった・・テンションが上がると無駄におしゃべりしてしまう癖が・・変な子だって思われた、絶対思われた・・、と顔は笑ってはいたが内心物凄い後悔をしていた。 すると凛は 「舞ちゃんって面白い子だね〜!変わってる、いや良い意味で変わってるってことで、笑顔の練習って可愛いじゃん、全然気味が悪いとか思わないよ!ねえ舞ちゃん良かったら友達にならない?スマホもってる?ライン交換しようよ!」 「え、え!?」 舞子は凛の思っても見なかった反応に戸惑ったがやがて嬉しさが込み上げてきた。 「うん!するする!友達・・なんて甘美な響き・・お父さんお母さんわたし入学して華の青春ってやつを謳歌できそうだよ・・入学祝いに買ってくれたスマホありがとう」 「舞ちゃんって自分の世界に入るとスイッチがオンになっちゃう感じなんだね」 舞子はまた、やっちまった、と急いで自分の世界から舞い戻ってきた。 「これわたしのライン、これでいつでもお話ができるね!舞ちゃん改めてよろしくね!」 「凛ちゃん!こちらこそよろしくお願いします!」 舞子の青春の新たな1ページがここに刻まれた。 」
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