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なぎさのアパート。
ごろ寝をしていた、なぎさが立ち上がる。
「たまには、一人でいたいのさ。」
窓の外を眺め、窓をそっと閉める、なぎさ。
駐めてあったバイクのミラーに乗せてあったヘルメットを被るなぎさ。
バイクに跨がり、エンジンをかけ、走らせるなぎさ。
走っている内に、熱いものがこみ上げて来た。
温度が変わったそれは、頬を伝い、柔らかな風が後方へと流れ去っていく。
どこかの家の近くを通った時、早咲きの桜の花びらが、なぎさの肩に落ちた。
なぎさは、そのままバイクを走らせた。
なぎさは鼻歌を歌っていた。
なぎさの脳裏にイメージが次々と浮かんでは消えた。
並んでPCで仕事をしている、高遠と伝子。
客をにこやかに迎える依田と慶子。
犬のサチコと戯れる、福本と祥子。
ミニパトから降りる、愛宕とみちる。
模型を前に談笑する、山城と蘭。
採譜をするコウに指図をする服部。
塾で試験の監督をする南原と文子。
取り調べをする久保田と、あつこ。
たったひとりの 戦いに
疲れ果てて 沈む時
瞳をとじて 顔あげて
耳をすませて みればいい
ロンリー ロンリーハート
風がささやいてゆくだろう
ロンリー ロンリーハート
ひとりぼっちじゃないのさ
誰かが君を愛してる
誰かが君を信じてる
誰かが君を求めてる
どこかで どこかで
胸は傷つき 膝は折れ
はるかな夢を 悔やむ時
振り向かないで 顔あげて
明日の道を 見ればいい
ロンリー ロンリーハート
地球は愛が棲まう星
ロンリー ロンリーハート
ひとりぼっちじゃないのさ
誰かが君を愛してる
誰かが君を探してる
誰かが君を見つめてる
いつでも いつでも
誰かが君を愛してる
誰かが君を信じてる
誰かが君を求めてる
どこかで どこかで
いつでも どうかで
何度か歌って、EITO秘密基地の手前500メートル近く迄来た。
地面だった筈の場所がせり上がり、2メートルくらいの高さで止まった。
なぎさはバイクを滑らせて中に入って行く。
なぎさは、なだらかな下り坂を走っていくバイクにアクセルをふかせた。
到着すると、仲間達が迎えた。
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【誰かが君を愛している】
作詞:星珍化
作曲:林哲司
編曲:川村栄二
歌:宮内タカユキ
―完―
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