今日も地球の人口は知らないうちに減っている

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     その店は、小さな街の裏通りに佇んでいた。  入り組んだ小道を何度も曲がった先にある、かなり奥まった場所だ。  赤煉瓦の塀も、濃い灰色の屋根も、そのほとんどが蔦に覆われている。既に店は潰れてしまい、そのまま打ち捨てられたようにも見えるが、実はきちんと営業中。入ってみれば、薄暗い照明の下、様々な品物が置かれていた。  アクセサリーやバッグなどのファッション小物、ノートや手帳、ペンなどの文房具、ハンドクリームやメイク用品など美容系。キッチンや浴室で使う日用品もあれば、ガーデニングやアウトドア関係の道具もある。  棚に並べられた商品をザッと見た感じでは、普通の雑貨屋にも思えるが……。    
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