夏の終わりのオレンジ

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『誰から書く?』『ヤバ。大きく書きすぎたかも』『アイツの名前、画数多すぎ』『あ、人通るよ。隠して隠して』『あ、ちょ…インク掠れた』  これもきっとなくなってるだろう…  そう思っていた。  夏草に守られる様にして、そこに5つの相合傘が残っていた。  残っているものが、あった。  (こら)えていた涙が溢れた時… 「志村さん?」  顔をあげたらそこには、夕焼けを背負った懐かしい顔。 「……藤原君」  刹那、押し寄せる思い出が私をあの日々に連れていった。 「久しぶり」 「久しぶり」 「「あのさ」」
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