18もう死ぬかもしれないなんて

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 「もうボルク気が付いたのね。良かった、私、あなたが死ぬかと思ったわ。死ぬときは一緒じゃない。私一人を残していくつもりなの?」  「そんなつもりはなかった」  ボルクは意識を取り戻すと口の渇きが潤っているとわかる。  「俺に水を飲ませたのか?」  「当たり前じゃない。自分は飲まずにいたなんてずるいわ」  「水は、水はまだあるのか?」  シエルは水筒を振ってみる。  水筒にはもう水は残ってはいなかった。  「あなたが死んでしまうよりいいわ」  「ばか。そんな事をしたら明日どうやって…」  「いいの。あなたと一緒なら」  「ばかだ。俺なんかにそんな事をして」  「あなたは私をとても大切にしてくれるけど、私にとって大切なのはあなたなのよ。そんな事もわからないおばかさんなんだから」  「そんな事を言うもんじゃない。俺達は…」  「私はボルク。あなたが好き。こんな時だからこそあなたには本当の気持ちを伝えたいって思うわ」  「シエル…」  ふたりの瞳は絡み合いたまらない愁いを帯びる。  「シエル、ずっと…ずっと好きだった。この気持ちは嘘じゃない」
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