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学校で友達に相談してみた。
母が夜中にこけしを作っていると。
すると、友達は言った。
「いい趣味じゃん。あんたへのサプライズプレゼントなんじゃないの?」
はぁ……
私が母からどんな仕打ちを受けているかを知らないのだろう。
私は言った。
「ところでさ、こけしってなんか怖くない?」
友達は答える。
「え? そうかな? かわいいじゃん」
「だってさ、こけしじゃなくても、人形ってさ、かわいいけど、なんか怖いっていうか……」
「あぁ、それ、分かるかも。人形って捨てたらバチが当たりそうっていうか、そういう怖さはあるよね」
「うん。人形ってさ、魂が入っているみたいで、なんか怖い」
「でも、考えすぎだよ」
「それはそうかもだけど……」
私は幼い頃、人形遊びをした記憶がない。
母が買ってくれなかったのだ。
お友達はみんなかわいい人形を持っていた。
お母さんに買ってもらったと自慢されて、それが辛かった。
私もねだってみたことがあるが、母は鬼になるだけだった。
なので、人形が欲しいという思いは押し込めるしかなかった。
人形なんて興味がない、という暗示を自分自身にかけ続けた。
私がこけしを見ると怖いと思うのは、こういうことも理由なのかもしれない。
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