常務秘書、野々村の決意

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「はい……」  そうだった、この方は二十代前半から困難と言われた商談を次々まとめあげ、社内初、三十代で常務にまで上り詰めたのだ。近いうちにCEOの座も確実だろう、と言われている。 「どうする?やるの?やらないの?」 「や、やらせていただきます!」 「わかった。じゃあぼくからレディントンに連絡しとく。ぼくの有能な秘書が代理で会うからよろしくってね」  有能な秘書……上司の思いがけない言葉に感動する野々村。 「はい!」 「あ、それとアップルの件、社長が行きたがってたから聞いてみてよ。なんかアップルの製品が大好きなんだってさ。ぼくは全然興味ないんだけど」 「……承知しました」 「サイバーモノリスの資料は共有フォルダに入ってるから適当にさらってね。後はよろしく」 「常務のご期待に添えるよう、がんばります!」
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