雪はつらい

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雪はつらい

 毎年、冬は必ずこの地に雪が積もる。  瀬戸内海式気侯の兵庫県の西播磨出身の私には、とても堪える。私の住んでいる地は、信州、松本。雪国というわけではないけれど、寒冷地のため、年に一度は必ず雪が堆積する。  今年、二月五日。二十五センチの雪が積もった。かなりの積雪量だった。朝、いつもより早く起床し、外へ出た。大量の片栗粉の上を歩いているように、キュッキュッと音がして歩きにくい。頭上を見上げると、白い羽のような白い結晶が惜しげなく舞い降りてくるのだ。まさしく、雪のシャワーだ。一時間ほど雪掻きをした。手も腰も痛くなり、なかなかの重労働。 ****    大雪から一週間しないうちに、大風邪を惹いてしまった。三十八度の熱が出て、病院へ。インフルかもしれない、コロナかもしれない。とにかく病院へ急いだ。気温はマイナスの日が続くため、まだ雪は溶けていなかった。車から降りた途端、悲劇は起こった。ツルっと滑って転倒し、後ろへ倒れた。ドリフのような構図だった。スノーブーツを履いていてもこれだ。何とか起き上がった。無事のようだ。誰にも見られていなかったのが、不幸中の幸いであった。
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