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「柚紀、ゆ~ず~き~く~ん」
「ん…うん?」
「うん?じゃねぇよ。そろそろ帰らないと、家の人心配するんじゃねぇのか?」
「ん?あ…俺、あのまま寝ちゃったんだ!ごめん、葵さん」
うわっ
どんくらい寝てたんだ?
「いや、具合は良くなったか?」
「あ…うん。だいぶ。車に酔ったのかなぁ。ねぇ、葵さん、今何時?」
「19:30」
「え?ヤバっ!そろそろ帰らないと!」
「だろうな」
1時間以上寝てた?!
「ほんとごめん。話…途中だったよね?」
「ま、いいや。悪かったな、付き合わせて」
そう言って車を動かし始める
ここ、何処だ?
山の中?
なんか、色んな色の光が見えて綺麗…
「いえ…。葵さん、いつ行くんですか?」
「もうすぐ。向こう行ったら当分会えないからな。会いたくなったら連絡していいぞ?」
「当分って?」
「なんだ、なんだ?気になるのか?可愛い奴だなぁ。瑞紀に捨てられたら、俺がお兄ちゃんになってやるぞ~」
「行く前に、瑞紀には会わないの?」
「ん~。どうすっかなぁ…。俺、瑞紀に嫌われてるしなぁ」
確かに…
メチャクチャ避けられてたな…
「葵さん、瑞紀に避けられるような事したんですか?」
「ん~?俺にはさっぱり心当たりがないんだけどさ。なんか、小学生になったあたりから……ちょっと早い思春期かなぁ」
「どんだけ早くて、いつまで続いてんですか…」
「じゃあな、瑞紀によろしく」
「家の前まで送ってくれてありがとうございます。気をつけて行って下さいね」
「おお!じゃあな」
バタン
なんだか、よく分かんなかったけど
瑞紀が行くって話でもないし
今行きたい葵さんが行けるんだから、まあいっか
「ただいま~」
「おかえり~」
洗面所まで行って手洗いうがいをしていると、なんだかまた暑くなってきた
う~まだ車酔い続いてんのかなぁ
「ゆず~、ご飯いいの?」
「うん、いらない」
結局チョコ1箱しか食べなかったけど、なんか、今ご飯食べたくない
階段を上ってると、なんだかフワフワしてきた
体調悪いなぁ
なんか、ドキドキしてきた
寝よ
ドサッ
暑っ
上着…脱いで…
ネクタイ…外して…
シャツ…………
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