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「何言ってんのお前?お前の夢とゆずは関係ないだろ?ゆずを巻き込むな」
「ん……なに?」
ゆずがゆっくり起き上がる
「関係ない?ははっ。そうだよな?瑞紀は俺の事も、他の奴らの事も、なんとも思ってないもんな?才能なんてない俺達が、どんな思いで、どれだけ必死に……。喉から手が出る程欲しいチャンスを、迷いもせず手放すくらい、瑞紀は俺達とは違うんだよな……」
何が言いたいんだ?こいつ
「ん~…葵さん?」
「あ!柚紀、大丈夫か?」
「こら、お前は葵と話すな」
電話を離すと、
「なんで~…なんで……うっ…う~~っ」
え?
泣き出した
「え?何?柚紀、泣いてんの?」
「葵!お前、ゆずに酒飲ませたな?」
「ふっ…うっ…瑞紀が…仲良く…してくれない~」
は?何言ってんだ?
「仲悪くなんてしてないだろ。何だよいきなり……。おい!葵!」
「あ…いや、俺は飲ませてないんだけどさ…」
「は?俺はって、まだ他にも誰か居たのかよ!」
「いや!そうじゃなくて!その…洋酒入りのチョコ食べさせちゃったみたいで…」
は?
「いや、どっか店入ろうと思ったんだけど、その前に、車にあるお菓子適当に食っていいって言ったらさ、よりにもよって誰かが置いてってくれた洋酒入りチョコ食ってたみたいで……。俺も全然気付いてなくて、さっきゴミ箱見て気づいた。柚紀、1箱全部食ってた」
「………チョコ?」
「いや、なんか暑いって制服脱ぎ出すし、なんかぼーっとしてるし、その後寝ちゃうし、おかしいなぁとは、思ったんだけど、まさかそんなん食ってるとは思わないし、車に酔ったのかと思ってたんだよ」
「つまり…チョコに入ってた酒に酔ってんのか…」
「はあ……。ゆず、お前、一生禁酒な」
「ん~?瑞紀~」
ぎゅ~っ
また抱き付いてきた
「はいはい。暑いんだろ?あまりくっ付くな。気持ち悪くないか?」
「ん~。葵さんと~…仲直り~」
「……は?」
「葵しゃん……居なくなっちゃう……だから仲直り~」
「……別に俺と葵は喧嘩してる訳じゃない」
「ダメ~!瑞紀が…頑張ってゆのと……葵しゃんの…頑張ってゆのは……違うかも…しれないけど……2人共…ピアノ大好きなのは…ほんとだもん……。うっ……ひっく……2人共……いっしょけんめ……ずっと一緒に…がんばって……う~~っ」
「ゆず?」
「だから!葵しゃん居なくなる前に!仲直りしゅゆの!」
バタッ
「あ、おい!……寝てる」
完全なる酔っ払いだ
そして、酒癖最悪だ
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