内密に

3/6
前へ
/6ページ
次へ
「いけません、松風さま・・・・」 シマナミは両手で盃をおさえ 「香桜さまがいらっしゃいますので、ご勘弁くださいませ」 と、畳に指をつき頭を下げた。 すると、松風はその畳についたシマナミの手に自分の手を重ね 「そなたは幾つだ?」 と意味ありげに聞いた。 「16でございます」 「で、あるか・・・・」 と、シマナミの腰に手をまわし引き寄せた。 「おやめください。松風さまっ」 シマナミは身体をよじり、逃げようとするが、松風は体格もよく力も強い。 子供のようなシマナミに彼を制止する事などできはしないのだ。 「良かろう良かろう・・・ワシをただ一人にしておく香桜が悪いのだ。そなたもワシも何も悪くない。引け目を感じる事などあるものか!」 と、シマナミを畳の上に押し付け、馬乗りになる。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加