私の神様

3/3
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
 うまそうなココロをみつけた。  あまりにもかぐわしいそれにさそわれてちかづいてみれば、それはおのれをみた。  めずらしいこともあるものだ。  おのれのすがたをみたものはこれでいくにんめか。  だがかまわない。  もくてきはそのココロだけ。 (あぁ、やはり)  おさなごのときよりみまもっていた。  そのココロにすくったちいさなたねが、すくすくとそだち、おおきくなるのをまちのぞみ。  そばでずっと。  だれよりもなによりも、くろくよどんだココロ。 (ぜつぼうがなによりもうまい)  神様と呼ばれる人ならざるものは、未来を見つめる女性の不幸を願って嗤った。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!