私の神様

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 うまそうなココロをみつけた。  あまりにもかぐわしいそれにさそわれてちかづいてみれば、それはおのれをみた。  めずらしいこともあるものだ。  おのれのすがたをみたものはこれでいくにんめか。  だがかまわない。  もくてきはそのココロだけ。 (あぁ、やはり)  おさなごのときよりみまもっていた。  そのココロにすくったちいさなたねが、すくすくとそだち、おおきくなるのをまちのぞみ。  そばでずっと。  だれよりもなによりも、くろくよどんだココロ。 (ぜつぼうがなによりもうまい)  神様と呼ばれる人ならざるものは、未来を見つめる女性の不幸を願って嗤った。
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