甘い葡萄

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そんなフルールは、今や星の英雄だった、とはいえ、まだ成人には満たない、未熟な魔法使いだった。 今夜は、そんな大魔法使いの誕生を祝う日として、フルールが好きな、『葡萄』と、『舞踏会』を兼ねた、『葡萄会』が行われる日だった。 「…………よし、そろそろ支度でもしようっと………、あれ……?」 その時、山の向こうの方から煙が見えた。 黙々と上がる黒煙からは、酷い血の気と魔力を感じ取れる。 「………………………嫌な予感がする……_____。」 彼女以外、未だ、国に危機が迫っていた事実を知らなかった。 フルールは、魔導書と杖を手に、山を越えた黒鉛の上がる方へと足を運んだ。 「物凄い魔力の量だ…………。」 しばらく歩き続けると、金色に見えるような、熱い炎が淡々と燃え上がっている。熱い。 「早くしなければ…………………、!!」 目の前に、多くの魔王軍が現れた。 尋常ではない魔力量に、この軍の量、それに、ここの主は今まで以上の威力だった。 何故か______、それは、今まで星を魔法で苦難させてきた、 あの魔王だったからだ。
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