甘い葡萄

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早くとも城に戻って報告しなければ____。 そう思いつつ、この場を後にするのはいけないと、魔王軍の方を睨みつける。 「___……フルール様!!!フルール様!!!」 その時、背後から若者の声が聞こえた。 国営軍だ。 「後はお任せ下さい!!!」 国営軍の中には、優秀な戦士や魔法使いが多く居る。それも、フルールの育てた人材がほとんどであるため、彼女はその場を国営軍に任せた。 城へと急いで向かう。 飛行魔法を使っても、かなり距離があった。 城の中へとはいると、貴族や皇族たちがどうなるのかと騒いでいた。 「___このまま又魔王たちに支配されてしまうのか__」 「___せっかく日常が戻ったと思ったのにね……__」 「____もう”当たり前”にはならないのかな________」 一人の子供が言った。 その子は、今にも泣きそうな顔で、外を見ている。 「……………そんな事ない……。」 フルールは急いで足を動かす。 あの人と交わした夢を、諦めるなどあってはならない。 皇子の部屋へと入る。そこには、窓の外を不穏な目で見つめる、皇子が居た。 「………っ、エテルニテ皇子!!!」 フルールは声をはりあげて言った。 そうすると、彼は振り向く。 「…………早く逃げないと………!! この国はもう危ない、攻めて皇子だけでも国外に出よう……_____。」 皇子は、まるで何も知らないような目で、 フルールを見た。 そして、言う。 「____何を言っているんだ?国民を大切にみるのが、君の良いところだっただろう………」 「僕を殺すんだ、フルール。」
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