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* * *
翌日、僕らは無事に退院した。
指先と足先に若干の凍傷があるが、放置してれば治るだろうと言われた。それ以外、検査結果に問題はなかった。
病院には、僕の両親と健斗の両親の四名が迎えに来ていた。
「ともかく、元気そうで良かった」
父親はそう言って、僕の頭をポンと叩いた。
「行くぞ。車に乗れ」
「行くって、どこに?」
「小学校だ」
僕と健斗は、それぞれの家族の車で小学校まで連れて行かれた。
職員室では担任の先生が待ち構えていた。冬休みだというのにご苦労なことだ、と思ったのは束の間、先生と両親にみっちり怒られた。
僕たちが夜になっても帰宅しないので、町中に声をかけて総出で探したとのことだった。
先生も捜索隊に加わったそうだ。
心配をかけたことに申し訳ない気持ちになった。同時に心配してくれたことが嬉しかった。
「ごめんなさい。こんな危険なことになるとは、想像してませんでした。今後、出かけるときは行先を告げるようにします」
僕が頭を下げると、健斗も慌てて頭を下げる。
「まったく、仕方ない奴らだ。もう無茶するなよ」
先生が呆れ声で言うと、僕らは「分かりました!」とあえて元気な声で返事をした。
「母さん。このあと、涼介をうちに呼んでもいい?」
「ええ、いいけど、涼介君は家に帰りたいんじゃない?」
「ええ、まあ――」
僕が言い終わる前に、健斗が言葉を被せてきた。
「反省会……そう、反省会をするんだ! いいよな、涼介」
勢いに負けた僕は「お……おお」と同意をする。僕は両親の顔を伺った。
「健斗君の家からなら、歩いても帰ってこれる距離だから、あんたがいいなら、別にいいわよ」
母親は仕方なそうに許可を出した。
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