11人が本棚に入れています
本棚に追加
失恋同盟の雪だるまの写真をスマホで撮って、私も家に帰ることにした。さっきトモくんが触った髪に触れた。心臓がどきどきして、そしてふ、と肩の力が抜けた。
ああ、楽しかったな、と思った。
トモくんは、家に帰っただろうか。それとも、誰かと思い出を作りに行っただろうか。それとも、まだ一人で、あてもなくどこかを歩いているかもしれない。
ざく、ざく、と歩いていた私の足音が止まる。
一度だけ後ろを振り返って、そして、家に向けてまた歩き出した。
風邪をひいてはいけない。私は良い女で、きっとすぐに彼氏も見つかる。だから、笑って、胸を張って歩いていかないといけない。
白い雪道に、私の足跡が続く。その上から、また雪が降り積もる。
雪はまだ、やむ気配をみせない。
最初のコメントを投稿しよう!