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「凄い肉だな~しかも、さっき獲って来た様に、新鮮だ」と、肉屋は言う。
「当たり前だ、ついさっき、獲って来たんだからな」セイジが、口を挟む。
「これなら、銀貨三枚出そう、どうだ?」と、肉屋が言うと
「銀貨三枚?とんでもない、五枚でも安い位だ」と、またセイジが口を挟む。
「じゃ、間を取って、四枚でどうだ?」「どうします?ベニーさん」
そこで、やっとセイジは、ベニーに聞く。
「それで良いよ」ベニーは、笑いながら言う。
「毎度~~」肉屋は、銀貨を四枚、ベニーに渡した。
「さて、これで、宿代が出来たね、どこに泊まろうかな」
ベニーが、そう言うと、キョロキョロしていたセイジが
「あ、あそこ、あそこが良いです、食事が美味しいって、書いていますよ」
「ほ~~セイジは、字が読めるのか、偉いな」ベニーに、そう言われたが
「読めるのは、簡単な字だけなんです」と、セイジは、頭を掻く。
「それでも、読めれば、色々な情報が得られる、大きなアイテムだぞ」
ベニーはそう言うと、その宿屋に入った。
その宿は、確かに食事が旨く、部屋も綺麗だった。
ただ、人気が有るのか、二部屋頼んだが、一部屋しか空いていなくて
セイジと、同室という事になった。
「俺、同室でも、一向に気にしないから」セイジは、そう言う。
「私だって、何も気にしないさ、私から見れば、お前なんか
赤ん坊の芽みたいな物だからな」ベニーがそう言うと
「赤ん坊の芽って、、赤ん坊にも、なっていないって事?」
と、セイジは、不服そうな顔で言う。
「良いじゃないか、いずれは赤ん坊になるんだから」と、ベニーは笑う。
そのセイジは、直ぐに窓の外に気を取られ、道を歩く人々を見ては
「あの人は、商人かな~こっちの人は、職人みたいだ」等と、分析する。
「セイジ、この先に、風呂屋が有るそうだ、行ってみよう」
ベニーがそう言うと「俺、もう川で洗ったから良いよ」と、セイジは、断る。
「泳げるほど、大きな風呂らしいぞ」「えっ、じゃ行ってみようかな」
泳げると言う言葉に釣られたのか、セイジは、一緒に宿を出る。
そこは、本当に大きな風呂屋だった。
ベニーは、セイジの分と自分の入浴料を支払い、女と書かれた部屋に行く。
ゆっくり時間をかけ、温まった後は、マッサージを頼んだ。
体中が解れて、良い気持ちだ。
「お客さん、綺麗な肌ですね~」と、マッサージをする人が言う。
「ほんと?」「はい、こんな柔肌の人は、初めてです」
そう言いながら、せっせと肌も磨く。
体中が楽になり、肌もすべすべになった、良い気分で外に出ると
セイジが、誰かと喧嘩している。
「何事?」と、ベニーが聞くと「こいつ、女風呂を覗いていたんです」
セイジは、とんでもない奴だと、その男の腕を、ねじり上げる。
「痛い、痛い」その男は、情けない声を上げる。
「もう、二度としないよね」と、ベニーが言うと「はい、もう、しません」
男は、ぺこぺこと頭を下げる「セイジ、もう許してやりな」
「へ~い」セイジに、放して貰った男は、一目散に、どこかへ消えた。
「ベニーさん、甘すぎですよ、あんな男、役人に突き出せば良いんだ」
セイジは、また文句を言う「そう言うな、男が女の裸を見たいって言う欲望は
押さえられないらしいからな」「そうですかね~」セイジは、首を振った。
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