4人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
俺はどうなるんだろう…
俺は今、壊れた舟に乗って、海を漂っている。
小型のフィッシングボートを借り、釣りをしていた。
日の出前から海に出て、結局1匹もつれないまま昼過ぎになり、そろそろ帰ろうとエンジンをかけたら、モーターが動かなかったのだ。
そのまま、どんどん流され、今に至る。
ここはどこだろう…
スマホをみると、バッテリーが切れている。
時計代わりにしていたから、時間もわからない。
俺は運を天に任せるしかないのか。
流されるままに、波間を漂う。
俺はふと目を覚ました。
ボートは砂浜に打ち寄せられたようだ。
そして、今は朝のようだ。
ここは、どこだ?
誰もいない。
まさか、太平洋にうかぶ無人島、なんていうことは、ないよな。
お腹すいたな…
食料は既にない。
釣りながら食べてしまった。
あとは…釣り餌、か。
パワーイソメでも食ってみるか。
腹が減って、グミに見えてきた。
ウェッ!マジィ。
食えたもんじゃねえ。
そりゃあな。
匂いと味をつけた擬似餌だもんな。
なんとしても、魚を釣るぞ。
俺には、釣り竿がある!
俺は、とりあえず、
ボートを波のあたらない場所までひきあげ、
荷物をすべて持ち、
海岸線をずっとあるいていった。
砂浜が終わると、岩場に出た。
こういう岩のかげに、魚が集まるんだ。
ここにしよう。
岩によじ登り、釣り糸を垂らす。
しばらく待つが、釣れない。
釣り竿を岩の隙間に挿してそのままにし、
岩場をうろうろしていると、
小さな巻貝がたくさんはりついているのがみえた。
火を通せば食べられそうだ。
火を起こそう。
乾いた小枝や流木をあつめにいく。
石をあつめ、炉を組む。
細い枝に火をつけ、少しずつ太い木をくべていく。
なんとか焚き火になった。
釣り糸を結ぶときに使うかと、ライターを持ってきていてよかった。
岩場に戻ると、巻貝をひっぺがし、
海水を入れたクーラーボックスにどんどん放り込む。
案外まとまった量がとれた。
それらをひとつかみ、焚き火に突っ込む。
しばらくしたら焼けるだろう。
竿はどうだろうか。
様子をみにいく。
が、やはり何も釣れていなかった。
俺には釣りはつくづく向いてないらしい。
釣り船で沖まで出ても釣れない男が、岩場で釣れるとは思えない。
焚き火に戻ると、巻貝たちは身をきゅっとしまいこみ、蓋をしていた。
焼けたんだかなんだか、よくわからない。
とりあえず一つ取り出す。
ナイフで先を削った小枝でつついて蓋をはがし、ほじってたべる。
うまい。
酒がほしくなる。
だが、全く腹が満たされない。
数はあっても、小さすぎるのだ。
ほじるのがめんどくさい。
が、焼いた分は頑張って全部食べた。
残りは、まだ元気に動いていたので、クーラーからひっぺがして岩場に返した。
最初のコメントを投稿しよう!