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【回想自転車】
〜ご乗車にはなれません〜
新幹線に運ばれて
遠路はるばる故郷に
錆びた自転車に跨って
父と行ったあのラーメン屋
友と騒いだあの焼肉屋
彼女とお茶したあの喫茶店
ギーコギーコ
錆びた自転車がゆっくり回る
錆びない記憶が鮮やかに蘇る
風の匂いに運ばれて
あの公園を懐かしむ
錆びた自転車に跨って
ブランコに揺られ感じる父の手
芝生を駆け回り弾ける友の声
ベンチで語らい溢れる彼女の笑み
ギーコギーコ
錆びた自転車がゆっくり回る
錆びない記憶が鮮やかに蘇る
何度漕いでも
まだまだ飽きない
何度馳せても
まだまだ褪せない
想い出の歯車は
回り続ける
止めどない波に運ばれて
記憶の海を浮遊する
錆びた自転車に跨って
自転車の後ろで父が支えてくれた
自転車の真横で友が走ってくれた
自転車の背中で彼女が笑ってくれた
ギーコギーコ
錆びた自転車がゆっくり回る
錆びない記憶が鮮やかに蘇る
キーコキーコ
想い出の歯車は
これからもずっと…
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はい。個人的にはかなり気に入ってます笑
これを思いついたのは、去年の3月に実家に帰省して久しぶりに自転車を乗り回そうと思っていたのに、鍵の差し込み口が錆びていて鍵が入らずに乗れなかったのが発端です。
(油とかも差しました。)
その時に、何か自転車を詩の形にしたいなと常々思って温めていた折に、ふと頭にこの構図が湧いてきました笑
〈ワンポイント〉
遠路「はる」ばる
「なつ」かしむ
まだまだ「あき」ない
「ふゆ」うかん
↓
遊び心(ちょっとした仕掛け)
四季の移り変わりも表現
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