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カメラを再びカフェに向けた時だった。
開いた扉の奥から人影が現れた。三十才くらいの男性だ。黒いシャツにえんじ色のエプロンを付けている。店長だろうか。
目が合った彼は、カメラを持ったままの美星をじっと見つめる。そのあと、男性は会釈した。会釈というより、敬礼のように深く頭を下げている。
顔を上げた男性は丁寧に「何か御用がおありでしょうか」と、美星に尋ねてくる。
「モーニング、まだ食べられますか?」
ちどりがわの入り口に駆け寄った美星は、男性に問いかけた。
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