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「俺は店長の小安と言います。ちどりがわは初めてですよね」
「はい。どんなカフェか、一度入りたくて」
「それでは、本日のご乗車ありがとうございます。ようこそ、鉄道カフェ『ちどりがわ』へ」
うやうやしく、小安が店内へ美星を招いた。
カフェに入ろうとすると、大きめの鉢植えの木から、柑橘系の甘い香りが漂う。白い小花を付けたその樹は蜜柑のようだ。忙しい日常から離れ、美里の心はふわりと軽くなった。
昨日と明日の間にあるこのちどりがわで、一休みしよう。
その日から、鉄道カフェは美星にとって、居心地のいい第二の我が家になった。
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