叔父と姪

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 町内会の男性がラジオのスイッチを入れて、馴染みのあるラジオ体操が流れ出す。  小学生以来なのに意外と体が覚えているもので、ラジオ体操第一が終わる頃には頭がスッキリしていた。  子ども達が係の男性のもとにスタンプをもらいに行く。 「いいな、いいな。あたしもスタンプほしい」 「また子どもみたいなことを……」 「あ、これにしよ。おじちゃーん。あたしにもスタンプちょうだい!」  ユメがポケットに入れていた猫柄のスケジュール帳を持って列に並ぶ。 「あ! お姉ちゃんもスタンプもらうの? その手帳かわいいね」 「そうでしょー? ネコちゃんは最強だよ。君たちのスタンプカードもイカしてるよ!」 「うん。かわいいでしょ!」  子どもたちと楽しそうに話をしている。  強メンタルすぎて、ミチルはめまいを覚えた。 「……ユメってどこに行っても生きていけそうだよね」 「えへへへ。そうかな」
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