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叔父と姪
「ミチルちゃーん! あっさだよーーーう!」
「ぎゃっ!」
タオルケットをはぎ取られた。
ユメはカーテンを引いて窓を開放する。
さんさんと降り注ぐ陽光。眩しくて死にそう。頭がうまく働かない。
「いま、何時……って、早っ」
目覚まし時計に手を伸ばしたら、デジタル画面には6:20の文字が光る。
昨日の七時半起きでもつらかったのに、まさかの七時前。
一昨日までは九時くらいにならないと起きなかった。
「ラジオ体操行こ!」
「やだよ。小学生じゃあるまいし」
「やー! ミチルちゃんも行くの! 運動するのに年齢は関係ないでしょ!」
叩き起こされて階段を降りると、父に驚かれた。
「ミチルがこの時間に起きているなんて、どういう風の吹き回しだ」
「…………ユメに言ってよ」
まさかこの歳でラジオ体操に参加させられるなんて、思いもしなかった。
サンダルをつっかけて、引っ張られるまま近所の公園に向かった。
小学生が十五人。
そのまわりにはおじいちゃんおばあちゃんだけでなく、ミチルと同世代や、三十代そこそこの人もいる。
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